金峰みかんVS温州みかん|食べ比べで分かった美味しさの本質

更新日:2022年3月31日 公開日:2022年2月21日

金峰みかん比較

こんにちは!自然果樹園ナチュラルスタイルの井田です。

実は、熊本県は九州で最もみかん栽培が盛んな地域(全国では4番目)です。熊本を拠点に活動する自然果樹園では3名の柑橘農家さんにご協力いただき、無農薬・無肥料の自然栽培柑橘を全国に届けています。

今回は、熊本県山鹿の柑橘農家:森征四郎さんが作る自然栽培金峰みかんの味を検証してみました。

森さんの金峰みかんは、毎年まとめて購入するファンもいるほど好評を得ているみかんです。しかし自然栽培のため、皮に傷があったり形が不揃いであったりするため、本当に中の実は美味しいのか、疑問を抱く人も少なくありません。

そこで今回は、自然栽培金峰みかんと慣行栽培の温州みかんの食べ比べ調査を行い、食味の違いを検証しました。

見た目・甘み・粒の食感など、どのような違いを感じられたのでしょうか。

無農薬・無肥料の自然栽培で金峰みかんを作る森さん

森さんと豊福みかん

森さんは今から50年以上前に山鹿の山を開墾し、当時は誰も成し得ていなかった無農薬栽培でのみかん作りに挑戦しました。

金峰みかんは、熊本生まれの晩生の温州みかんです。12月中旬までに収穫し、涼しい所で熟成する(=予措)ことで酸味が減って甘みが増す特質があり、この酸味と甘みの絶秒なバランスが評判です。

しかし、金峰みかんの生産者は年々減り続けているといわれています。金峰みかんはもともと、一年おきに豊作・不作を繰り返す隔年結果が起きやすく、異常気象が続く昨今では栽培しにくいという難点があるからです。

しかし森さんは「安心安全のみかんを求められる限り、作り続ける」と、80歳を過ぎた今でもパワフルに栽培しています。

森さんの金峰みかんは、風でみかんの葉と実が擦れたり、無農薬栽培のため病害虫の影響で外皮に傷がついたりすることがありますが、中身にはこだわっているみかんです。

自然栽培金峰みかんVS慣行栽培温州ミカン

金峰みかん食べ比べ

自然栽培金峰みかんは、慣行栽培の温州みかんと味が異なるのかを検証しました。

金峰みかんと食べ比べるのは、熊本県で作られた農薬・肥料を使用した慣行栽培温州みかんです。

慣行栽培とはいえ、あるスーパーで自信の一品として売られていた糖度14の温州みかんです(平均12~13度)。

正直、私(井田)も当日まで食べ比べはしなかったので、この結果が一体どうなってしまうのか?非常にドキドキしながら皆さんに食べて比べて頂きました。

食べ比べ方法

みかん食べ比べ

金峰みかん(金峰も晩生の温州みかん)と温州みかん、どちらも同じような大きさと形をしているので、見た目には遜色ありません。

参加者には品種名を明かさず、AとBに分けて食べて頂きました。

そして、酸味・甘味・粒感・濃厚さをそれぞれ5段階で評価していただきました。

金峰みかん食べ比べ風景

食べ比べ調査の結果

金峰みかんの比較アンケート

今回の自然栽培金峰みかんの食べ比べは、どうなるのか皆目見当がついていませんでしたが、甘味・粒感・濃厚さの違いをほとんどの参加者が感じられたようです。
注意
※全ての慣行栽培温州みかんが同じというわけではございません。栽培農家さんによりさらに美味しいみかんもあるかと思います。今回比較対象に選んだ慣行栽培温州みかんとの比較結果です。

みかん食べ比べ調査
※左:慣行栽培温州みかん 右:森さんの自然栽培金峰みかん

参加者の方々には、自然栽培みかんの味わいを五感で感じ取って頂きました!

参加者の具体的な感想

みかん食べ比べ調査

食べ比べでは味や食感だけでなく、見た目や手触り、皮をむいたときの触感にも違いを感じる参加者が多数いました。中には、「むいたときの香りも違う!」という参加者も。

興味深いのは、「慣行栽培温州みかんは皮と実が離れていてすんなりとむくことができたけれど、金峰みかんは皮が実に強く付いていて、少しむきづらかった」という声や、「温州みかんは皮の表面がテカテカしていて、金峰みかんはザラザラしている」という声です。

自然栽培金峰みかん

自然栽培みかんの特徴の一つですが、外皮が房としっかりくっついて剥きにくいという声がございます。

これは、無農薬・無肥料というじっくり自然の力で育てるのでよくある現象です。

みかん食べ比べ調査

金峰みかんの外皮はザラザラしているというのは、なぜなのでしょう?

一般的に市販のみかんは、見た目が大事です。そのため外皮にテカリがある方が重宝されます。

しかし、みかんは呼吸しており、テカリのある外皮から水分が抜け、同時に中の実の水分も抜けていきます。

しかし森さんは収穫後、中の実の水分を保ったまま外皮を乾燥させる「予措(よそ)」を施します。皮がザラついているのは、予措をしているからなのです。

大事なのは、見た目ではなく中身。森さんの自然栽培金峰みかんを通じて再確認できました!

まとめ

井田と金峰みかん

今回の自然栽培金峰みかんの食べ比べで、私が最も異なっていると感じたのは「濃厚さ」です。※あくまでも今回の比較対象となった慣行栽培温州みかんとの比較です。

慣行栽培温州みかんも糖度14をうたっているだけあり美味しかったのですが、自然栽培金峰みかんは濃厚さがございました。

なかなか普段比較して食べることが無いので、五感を研ぎ澄まして食べ比べるというのはいい経験になりますね^^

金峰みかんは無農薬のため、皮に黒い点々が付いたりゴツゴツしたりと、見た目が劣ってしまうものがあります。さらに予措によって皮の水分が抜け、シワシワになっているものもあります。

見た目は決して良くないものも含まれますが、自然栽培柑橘農家さんのこだわりは中身のみかんです。

見えない部分こそ大事にするという本質を学んだ食べ比べ会になりました!

森さんの金峰みかんはこちらから!

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