荒尾梨で最も有名な梨「荒尾ジャンボ梨」とは!
こんにちは!自然果樹園ナチュラルスタイルの井田敦之です。
熊本県荒尾市は、梨産地として100年以上の歴史がある全国でも有数の梨産地です。
荒尾で作られる梨を「荒尾梨」といいますが、その中でも最も有名なのが「荒尾ジャンボ梨」です。その名の通り、1玉大きいもので1.5kgあるとても大きな梨です。
荒尾はこの「荒尾ジャンボ梨」で有名なったと言っても過言でありません。
豊かな自然と深い歴史が育んだこの「荒尾ジャンボ梨」とは、どのような梨なのかを皆さまにご紹介致します。
<目次>
荒尾で主に栽培されている梨-幸水・豊水・あきづき・新高-
現在、荒尾の梨農家は150戸以上あり、
主に作られている品種は、幸水・豊水・あきづき・新高などがあります。それぞれの品種について紹介します。
①幸水(こうすい)
現在日本で一番多く生産されている梨です。
長年にわたり高い人気を得ている品種です。
収穫時期:8月上旬-8月中旬
大きさ:250g-300g
外観: 皮の色は、褐色または黄緑がかった褐色
味の特徴:果汁が多く、果肉も柔らかく甘みも強い。
②豊水(ほうすい)
豊水は、幸水に次いで国内での生産量が多い品種です。
収穫時期:8月下旬-9月下旬
大きさ:400g-600g
外観: 皮の色は、褐色
味の特徴: 幸水に比べると酸味がある。 酸味が甘味を引き立たせる。糖度は、ほとんどが12度以上 。梨特有のシャリシャリとした食感も楽しめます。
③あきづき
「幸水」と「豊水×新高」から誕生した梨です 。 2001年に品種登録されました。
収穫時期:9月下旬
大きさ:500g-600g
外観: 皮の色は、褐色
味の特徴: 果肉は柔らかく、豊水や幸水に比べて酸味が少なめで、爽やかな甘みが特徴の梨。
④新高(にいだか)
豊水に次いで生産量の多い品種です。 大きくそしてずっしりと重いのが特徴です。 果実の大きさは、1.5kgに達する事もあり、子どもの頭ほどの大きさのものもあります。
収穫時期:10月初旬-10月下旬
大きさ:500g-1000g
外観: 皮の色は、褐色
味の特徴: 果肉は白くて軟らかく、果汁もたっぷりで香りも芳醇。 糖度は12度以上もあり、とても甘みが強いです。
荒尾ジャンボ梨とは新高梨
荒尾梨の歴史は、今からおよそ110年前の明治41年(1908年)に、梨の木が植えられた事から始まります。 大正時代に入ると生産農家が多くなり、荒尾ジャンボ梨で知られる新高は、昭和の初め頃から作られるようになりました。
そして現在では、全国有数の新高の栽培面積を誇るほどになり、荒尾ジャンボ梨は、全国的に有名なブランド梨として知られるようになりました。
新高は、その大きさと形、そして美味しさから「梨の王様」とも言われています。また、非常に日持ちが良いのも特徴の一つです。ぴったりとラップに包んで冷蔵庫に保存すれば、1ヶ月ほどは持ちます。
その見栄えする大きさから贈答品としても喜ばれ、人気があります。
荒尾ジャンボ梨が有名になった理由とは?
荒尾ジャンボ梨が有名になった理由の一つには、荒尾の産業も深く関係しています。荒尾は明治期より、三井三池炭鉱の1つとして大変栄えていました。 炭鉱で働く為に全国各地から集まった人々が、自分の故郷に「荒尾ジャンボ梨」を次々と送り 、そこから一気に「荒尾ジャンボ梨」のブランド名が広がったとも言われているのです。
元々、有明海に面する荒尾市は豊かな水源と穏やかな気候に恵まれ、農業には最適な環境でした。そのため、上質な作物を多く生産することができました。このことも、荒尾梨ブランドが確立した理由の一つかもしれません。
高塚成生が作る極上の荒尾ジャンボ梨
この荒尾市で梨栽培歴35年の梨農家:高塚成生(たかつか なりお)が作る荒尾ジャンボ梨は、特に成生梨(せいじょうなし)と呼ばれ取り扱われています。
成生梨(荒尾ジャンボ梨)の最大の特徴は、
極限まで農薬を使用していない点にあります。さらには人為的に甘味を作る肥料を使用しません。
肥料を使用しなくてできるの?とよく聞かれますが
肥料を使用しないからこそ梨本来の味を引き出すことができるのです。
新高は一般的には酸味が少なく、糖度が高めなのが特徴ですが、栽培方法により甘さの質が異なるのです。
成生梨を食べたお客様から最も多い感想が
「食べた後に口がべたつかず後口が良い」
「こんな爽やかでくせになる甘みの梨を食べたことない」
農薬を最大限使用せず、肥料を使用しないので
収穫量は一般の荒尾ジャンボ梨の半分となります。
しかし、肥料を使用しないからこそ高塚が35年間求めた味に辿り着きました。
成生梨(荒尾ジャンボ梨)は全く別の栽培方法
熊本県荒尾市で生まれ育った高塚さんは、35年前に親から梨園を引き継ぎました。
高塚さんには、自身のお子さんがアレルギー体質だったことからも「子ども達が安心して食べられる美味しい梨を作りたい」という強い想いがありました。
この想いから、無農薬の自然栽培への挑戦が始まったのです。
しかし、落葉果樹である梨の無農薬栽培は非常に難しく
高塚さんは、これまでたくさんの梨の樹を枯らしてきました。
完全無農薬は難しかったのですが、これまで梨の樹を枯らせてきた経験から、最大限農薬を使用しないギリギリのラインを見極めて栽培する独自の栽培法を産み出したのです。
高塚さんの栽培法は、周りの梨農家さんとは全く異なったものです。
最大の特徴は、冬期にクヌギの葉を梨園に敷き詰め、樹林と同じ土壌環境を梨園に創り出している点です。
高塚さんの梨園の土壌は、多様な生物が生息しています。
梨園に降り注いだ雨は、クヌギの葉の腐葉土を通り、ミネラルが豊富な“森の雫“となって 梨の果肉において重要な果汁を作り出す、水分となるのです。
また梨は、品種によっては病気にかかりやすいものあるため、梨一つ一つに袋かけを行いますが、袋かけをしても、農薬は欠かせません。農薬を使用しないと、病気や虫が大発生してしまい、収穫ができなくなってしまうのです。
しかし、高塚さんは梨のつぼみが出てきてからは農薬を撒かず、生物が豊かな環境を作ることで、病気や虫の発生を防いで安心安全な梨作りを形にしています。
高塚さんは、収穫時期になると毎朝、梨の食味をして収穫適期を見極めます。
荒尾ジャンボ梨の収穫適期には、梨の実が大きく育ち、袋掛けした袋を破るほどになります。
梨は追熟をしない果物です。
そのため、収穫タイミングにより、梨の味が左右されてしまいます。
私どもは、店頭販売とは異なり、収穫適期に収穫した採れたての梨を、高塚さんより直送してお届けしております。
もぎたて新鮮な糖度13度以上の厳選した荒尾ジャンボ梨をお届けします!
丸々とした大きさに、ずっしりとした重さ。大人の手の平からも溢れ出るばかりの大きさはインパクトも大きく、もらった人は思わず「大きい!」と声を漏らしてしまうはずです。
明治期に炭鉱で働いていた人も、贈られた家族も、さぞかしその大きさに驚き、そして美味しさに感動したに違いありません。今でもこの荒尾ジャンボ梨の美味しさに惹かれた人は、もう一度その味わいを堪能するために自分で探し求めることが多いそうです。
高塚さんは、この感動を多くの人に伝えたいという想いから、手間暇をかけて最大限農薬を使用せず、見た目も良い荒尾梨の栽培に情熱を注いでいます。
この荒尾ジャンボ梨で心も体も喜んで頂けますと幸いです。