荒尾梨を作っている高塚さんに欠かせない日課とは

更新日:2020年9月9日 公開日:2020年2月28日

成生梨

梨産地として100年以上の歴史を誇る熊本県荒尾市。

荒尾市は有明海に面しており
豊かな水源と穏やかな気候に恵まれ、農業には最適な環境を有しています。

その荒尾市で、梨作りには欠かせない農薬を最大限使用せず
食べる人の安心安全を追求した梨を作っている高塚成生(たかつか・なりお)さん
収穫シーズンを迎えると、ある日課を欠かさずに行います。

高塚さんの、他所とは違う梨作りと
欠かさずに行っている日課についてご紹介します。

荒尾梨を作っている荒尾市の梨農家、高塚さん

高塚さんの実家は、もともと荒尾市で梨農園を営んでいました。
そして高塚さんは、35年前に親から梨農園を継ぎました。
農園を継いだ当初から、高塚さんには変わらない想いがあります。

それは『子どもだちが安心して食べられる梨を作りたい』という想いです。

高塚さんのお子さんは、アレルギー体質でした。
従って、農薬などの化学物質が使用された食べ物を口にすることには
健康被害の懸念があった
のです。

しかし、梨作りに農薬は欠かせません。
農薬を使わないと、害虫が大量発生してしまうのです。
実に感染する病気も防ぐことができません。

梨虫食い

高塚さんは、農薬を使わずに梨を栽培する方法を実現させるべく、試行錯誤しました。
落葉果樹である梨の無農薬栽培は非常に難しく
高塚さんは、これまでたくさんの梨の樹を枯らしてきました
そして長い年月をかけ、独自の方法を編み出しました。

高塚さんの土のこだわり

農薬を全く使わないことは難しかったのですが、最大限に抑えて栽培することに成功
誰もが食べられる安心安全の梨を作るという想いを見事に実現させたのです。

荒尾梨を最高級の美味しさにするための高塚さんの日課とは

梨の糖度

梨は、追熟をしない果物です。
追熟とは、 果物が熟す前に収穫をし、その後一定期間置いておくことで
果肉の甘さや柔らかさを増す処理
をいいます。バナナなどが追熟する果物です。

梨は、収穫しても熟すことはありません。
そのため、いつ収穫するかで梨の味が決定してしまいます。

高塚さんは、収穫時期になると毎朝
梨の食味をして収穫適期を見極めています。
収穫シーズンには欠かせない日課です。

成生梨試食

梨の糖度は、成熟状況により大きく変化します。
収穫時期によっては、糖度が1~2度変化することがあります。
従って、収穫時期を変えると、風味や果肉の質も変えてしまいます。

シャリシャリとした食感と甘さを得るためには
成熟状況による糖度の変化と、果肉や風味のバランスが取れていることが重要です。

梨の糖度

一般的に梨の糖度は、11度~13度ほどです。
しかし、高塚さんの作る成生梨の糖度は15度以上もあります。

高塚さんは、毎朝糖度を測り、自らの舌でも糖度を確かめることで 収穫時期を調整しています。
糖度の高さ、そして風味や酸味の絶妙なバランスを持った梨を厳選しています。

荒尾梨はなぜこれほど糖度が高く美味しい梨に育つのか

高塚さんの農園は、他所の農園とは全く異なった環境を呈しています。

最大の特徴は、冬期にクヌギの葉を梨園に敷き詰め
落葉樹林と同じ土壌環境を農園に創り出している点です。

クヌギの葉を敷き詰める成生梨園

梨は、土の性質によって味に影響が出やすい果物です。
そのため、常に新鮮な土壌を保たなければならず、細やかな管理が必要です。

梨園に降り注いだ雨は、クヌギの葉の腐葉土を通り
ミネラルが豊富な“森の雫“となって 梨の果肉において重要な果汁を作り出す、水分となるのです。

成生梨園の土

ミネラルをたっぷり含む水はけの良い土壌は梨の栽培に最も適しており
香りの豊かな梨を作るための秘訣でもあります。

高塚さんの想いにより生み出されたこの独自の栽培法により
後口の良い甘味を特徴とした梨が生まれました。
高塚さんが作ったこの梨を、成生梨(せいじょうなし)と名付けました。

高塚成生の荒尾梨

明治期より人々を魅了してきた荒尾梨の中でもこの成生梨には
安心安全だけでなく
もう一度食べたくなるほどの最高級の美味しさが詰まっています。

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