荒尾梨の栽培に欠かせない摘果とは?

梨の幼果

春に受粉し、夏から秋にかけて実が育つ梨。

丸々と大きく実った梨の姿は見慣れているけど
育っていく過程はあまり見たことがないという人が多いのではないでしょうか。

梨をはじめとした落葉樹の果物は、とってもデリケート。
細やかな手入れと管理が必要です。

梨は受粉した後何日後に実がなる?

梨受粉後

梨は、秋の収穫シーズンを終える冬に入ると休眠期に入ります。
でも、寒い中でも梨の木は生きていて、この間でも枝が伸びてきます。

なので、農家さんは剪定作業をしたり
次の梨作りに向け土作りを行ったりします。

梨の花

そして春。生き物たちの活動が始まる頃
梨にも桜ような可憐な花が咲きます。梨の品種によって、花の形は異なります。
花が先に咲く品種の梨ほど、収穫までの期間が長い傾向にあります。

成生梨受粉作業

そして、晴れた暖かい日に受粉を行います。

本来は、虫や風によって受粉が自然と行われるのですが
同じ梨同士では完全に受粉することは難しく、形もいびつになってしまいます。
なので、人の手で丁寧に受粉させます。

受粉後約ひと月後には、実がなりはじめます。
一つの房に、8個ほど実がなります。

たくさん実がなっても間引きしなければならない

受粉後にはたくさん実がなりますが
問題なく実ったものでも、切り落とさなければなりません。
これを摘果(てきか)といいます。

梨に限らず、他の果物や野菜にも行われる作業です。
摘果の目的は

①梨を大きく実らせ、味を良くするため
植物の栄養は、株から実に行きわたります。
たくさんの実がなると、それだけ一つの実あたりに行きわたる栄養が少なくなります。
そうなると、実も小さく育ってしまいます。
実を厳選し全体の数を少なくすることで、大きく実らせることができます。

②実同士がぶつかり合わなくするため
実が大きくなるにつれ、隣の実に触れたりぶつかったりすることがあります。
触れ合ったところから虫が入り込み、食い荒らしてしまいます。

梨の幼果

これを防ぐためにも、大体15㎝から20㎝、間隔をあけて梨を実らせます。

梨には農薬がなぜ必要なのか

梨栽培には農薬が欠かせません。
農薬をまかないと、虫が大発生してしまうからです。

だいたい、一回の梨の栽培で20回ほど農薬をまくといわれています。

実際に、農薬をまかないと、梨の木はどうなるのか。

下の画像は、農薬を使用していない梨の木の葉です。
アブラムシが大量に発生しています。

アブラムシ

このままどうなるのかというと、テントウムシがやってきて
アブラムシを食べ始めます。

アブラムシの他に、枝にはが巣を作ります。
梅雨にはカエルの姿も見えます。
夏になると、クワガタムシも棲みつきます。

農園の生き物

農薬を使わないからこそ、生き物たちが豊に暮らしてゆけるんですね。
食害虫を駆除せずとも、天敵が食べてくれる環境が作られているのです。

このような農園を作り出している農家の方がいます。
熊本県荒尾市の高塚成生(たかつか・なりお)さんです。

成生梨(新高梨)

高塚さんは、誰もが安心して食べられる梨が作りたいという想いで
無農薬の梨栽培に30年以上、挑み続けています。

高塚さんが作る梨は、豊水(ほうすい)と新高(にいたか)です。
爽やかな後味が評判で、毎年全国から買い求められています。