暖冬が影響して起こる梨の病気とは?

受粉作業

梨の木は収穫シーズンが終わり冬を迎えると、休眠期に入ります。
でも、この間にも梨の木は生きています。

枝に実がなくなっても、梨の木の枝はぐんぐん上に伸びてゆきます。
なので、農家さんは剪定して整えます。
そのほかにも、次の梨作りに向けた新しい土作りをします。

こうした冬の間の入念な準備により
秋には丸々と美味しい梨が実るわけですが
梨を実らせるのに重要なポイントは、実は冬の寒さにあります。

もしも冬の寒さがなかったら
梨はどうなってしまうのでしょうか。

春に受粉し、初夏に結実する梨

成生梨受粉作業

冬が終わり、暖かくなってきた春。
花が咲き揃った天気の良い日に、いよいよ梨の受粉作業が行われます。

受粉は、ぼんてんと呼ばれる綿毛のついた棒で
めしべに向かってポンポンと花粉をつけてゆきます。

すると、2週間後くらいには 小さな実になります。
花粉をつけた花は1つか2つですが、こぼれ花粉で、8つほどなります。

その後、この中から1つを残し
あとはハサミで落とす作業、摘果(てきか)が行われます。

寒さ不足で起こるある病気

通常は、8つほどなる実。
しかし、1~2つしかならない、もしくは全く実らないことがあります。

これには様々な原因が考えられています。“眠り病”もその一つです。

眠り病は、冬場の寒さ不足から起こる病気です。
地球温暖化が問題になっている近年では多発している病気です。

農園のクヌギの葉

落葉樹は、収穫シーズンを終えると自発休眠期に入りますが
秋から冬にかけ低下する気温に対し徐々に耐寒性を身に付け、休眠から目覚めます。
こうして冬場の厳しい寒さでも、生育し続けることができます。

しかし、冬になっても気温が高い状態が続くと
梨の木は低温に弱くなり、耐寒性を身に付けられなくなります。
そして耐寒性を身に付けないまま、眠り続けてしまいます。

クヌギの葉を敷き詰める成生梨園

これにより、開花が遅れたり、発芽不良を起こしてしまうのです。

眠り病を防ぐには、梨の木を 気温7・2度以下
800時間以上さらす必要があるとされています。

それでも残った梨の実は、絶品であること間違いナシ!

子どもが喜ぶ果物

農薬を最大限抑え
安心安全の梨を35年以上にわたりつくっている高塚さんの新高梨も
眠り病にかかっている可能性が高く、あまり実りませんでした。

気候変動や災害とは、予測不能なものです。
昨年は、台風17号によりたくさんの梨が地面に落ちてしまいました。

台風での落下梨

しかし、高塚さんの梨はそれでもたくましく育ち
美味しい梨に仕上がりました。

大ぶりで甘い果汁がたっぷり入っているのが特徴の新高梨。
高塚さんの新高梨の糖度は、なんと15度を超えるものもあります。(通常は12~13度)

成生梨(荒尾ジャンボ梨)の糖度

今年も、美味しくて安心安全な高塚さんの梨が
たくさんの人の舌を唸らせることでしょう。