荒尾梨はなぜ台風にも負けず美味しく育つのか

台風

農業を営む方々にとって日々の天候は、懸念材料の一つです。
もちろん、雨は作物にとって成長する上で欠かせないものですが
激しい風雨や突如訪れる気候変動は、作物に甚大な被害をもたらします。

特に台風は、毎年日本各地で大きな被害をもたらしています。
ビニールハウスが倒壊したり、実が落果するなど
農家にとっては深刻な問題です。

荒尾梨で有名な熊本県荒尾市がある九州は、台風の被害を受けやすい地域です。
農薬を最大限に使わずに梨を育てている高塚さんの農園は、どうだったのでしょうか。

台風被害の多い九州

台風被害ビニールハウス

台風は、日本のはるか南、赤道付近から発生します。
南の温かい海が蒸発して水蒸気となり、 大きな渦巻き状の雲となって
偏西風に乗りながら日本にやってきます。

1951年から2019年に発生し、日本各地に上陸した台風の数は
上位10県のうち、九州は4つもランクインしています。

2019年の台風19号において農業被害総額は600億円をこえるなど
これまでにない猛威に多くの農家が苦しみました。

多くの作物が被害を受けるということは
私たちの食卓にも影響を及ぼすということです。

台風の被害を受けた高塚さんの荒尾梨

新高の収穫

熊本県荒尾市の梨農家、高塚成生さんは
農薬を最大限使わない独自の栽培方法で梨を育てています。

高塚さんは、自身のお子さんがアレルギー体質だったこともあり
農薬を使わない安心安全の梨が作りたいという想いのもと
農薬不使用の栽培を実現させるべく、試行錯誤を繰り返してきました。

そして長い年月をかけ、農薬を最大限使わない栽培方法を生み出しました。

農園の生き物

高塚さんの農園は、薬剤などの自然にとって有害な化学物質はなく
あるがままの豊かな自然の世界を創り出しています

台風での落下梨

高塚さんの成生梨(せいじょうなし)は
肥料を使用しないために、収穫量が一般の半分となります。

9月末に襲った台風17号においては、強風により
さらに半分の梨の実が落下してしまいました。

落果せず残った荒尾梨がその後力強く育ちました!

成生梨新高ジャンボ梨

せっかく一年かけて大切に育ててきたのにと
途方に暮れた高塚さんでしたが
台風の強風にも落ちずに残った成生梨がとても良く成長しました。

台風により梨が半分になったために
落ちずに残った梨に栄養分が集まり
とても充実した成生梨(新高・ジャンボ梨)に育った
のです。

梨の糖度

また10月の本収穫では、寒暖の差を受け
甘味がのった美味しい梨に仕上がりました。

35年以上の年月をかけて
ようやく高塚さんの目指していた梨の食感と甘味に近づいてきました。

高塚成生の荒尾梨

荒尾梨の中でも、高塚成生さん独自の自然に則した栽培で育てた
後口の良い甘味を特徴とした成生梨(せいじょうなし)をお楽しみ頂けたらと思います。