成生梨園の台風後の状況と台風対策|高塚成生の荒尾梨

更新日:2021年10月11日 公開日:2021年10月11日

台風後の成生梨

自然果樹園ナチュラルスタイルの井田です。

一年を通して、梨栽培を見て回っていますが、梨農家さんが懸念することの一つ。それは、「台風」です。

精魂込めて育てた梨も、台風により落果してしまうことはざらにあります。

熊本県荒尾市で農薬を最大限使わずに梨を栽培している高塚さんの農園も、毎年台風の猛威に晒されています。

今回は中心気圧こそ990hPa程度だったのですが、進路が強風を受ける西側コースを通ったこと、そして長時間かけて過ぎていったこともあり、落果の恐れがありました。

台風後に高塚さんの梨園はどうなったのか? ドキドキして梨園に伺いました!

荒尾梨の収穫前に到来した台風

台風後に倒された防風ネット

九州は、台風の被害を受けやすい地域であり、高塚さんの成生梨園もこれまで多くの被害を受けてきました。

台風の接近が最も多い時期は9月前後。1951年から2021年の間に日本各地に上陸した台風の数は上位10県のうち、九州はなんと4つもランクインしています。熊本県は9位のようです。

(参考:気象庁「台風の上陸数」https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/ranking/landing.html)

この時期はちょうど梨の収穫期にあたるので、梨農家さんはナーバスになります。

今回の台風14号は、荒尾の真西からやって来ました。9月17日の午後には県内全域が強風域に入り、暴風警戒域が荒尾に最接近。

高塚さんの農園は台風通過後、どうなったのでしょうか。下の動画をご覧ください。

高塚さんの荒尾梨はこれまで何度も台風被害に遭ってきた

これまで高塚さんは、幾度となく 台風の被害を受けてきました。

直近の台風で大きな被害を及ぼしたのは、2019年に直撃した台風19号です。高塚さんの荒尾梨は、強風によりたくさんの梨が落ちました。

特にこの時期の梨は、荒尾ジャンボ梨で有名な新高ジャンボ梨なのです。

名前の通り、1個1個の重量が重いのですね。そのため風に吹かれると充実した重い梨から落ちてしまうのです。

梨農家さんは台風の被害を最小限に抑えるため、さまざまな対策をとっています。

高塚成生さんの梨園での台風対策

高塚の台風後のチェック

高塚さんは、台風後には梨園を回って、梨の状態のチェックをしています。

一般的によく知られている梨栽培の台風対策としては、支柱での固定や排水設備の点検などです。落果を未然に防ぐため、可能な限り実を事前に収獲しておくこともあるようですね。

台風が過ぎ去った後は、被害の拡大防止のため薬剤による病害虫の駆除なども行うところもあるようです。

(参考:東京都農業共済組合「果樹(梨)の台風対策」http://nosai-tokyo.jp/wp-nosai/wp-content/uploads/2019/03/pdf_20160829_02.pdf)

しかし、高塚さんは、最大限農薬を使用しないので梨の樹の生命力を信じて台風対策を行っています。

風圧を和らげる防風ネット

高塚さんは台風対策として防風ネットを使用しています。

防風ネットは、樹の下から吹き上げる風を和らげる効果があるので、落果を防ぐことができるのだそうです。

一般的に防風ネットには、ネットの高さの約20倍の距離から吹き込む風を和らげる効果があると言われています。高さ3mのネットであれば、60m先の風の勢いを和らげることができるのです。

周辺の樹木にも守られている

高塚さんの農園には、たくさんの樹木が植えられています。高塚さんはこれらの樹木によっても農園が守られていると言います。

このように農作物を強風から守る樹木を防風林とも言います。防風林は、強風によって運ばれる砂塵や雪などを防ぐ役割もあります。

今年の成生梨(荒尾梨)の出来具合は?

高塚の荒尾梨(成生梨)

今年は、防風ネットや周辺の樹木により高塚さんの荒尾梨は台風の強風にも何とが耐え抜いたそうです。ただ、今年は8月の長雨の影響で小玉傾向にあるとのこと。

それでも梨は生き生きと実っています。小さくとも、長雨や強風を耐え抜いた高塚さんの荒尾梨をぜひとも楽しんで頂きたいと思います。

まとめ

9月から10月にかけて梨農家さんが最も懸念しているのは、「台風」でしょう。

人間は、自然の猛威に逆らう事はできません。

その中で、荒尾市で最も安心な梨作りをしている高塚さんに台風対策を伺いました。
対策は下記の2つです。
1) 防風ネット
2) 防風林

どれも台風を確実に防げるものではありませんが、台風の強風を受けても落下しないような力強い梨を育てたいものです。また毎年台風の影響は受けますが、落ちずに残った梨に栄養分が集まり、充実した梨に仕上がったと前向きに捉えています。

10月になると荒尾梨は寒暖の差を受け、より甘味がのった美味しい梨に仕上がってきます。

高塚成生さんの荒尾梨をぜひ楽しんで頂きたいと思います!

高塚さんの荒尾梨はこちらから!

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