荒尾梨の糖度はどれほど高いのか
秋の代表的なフルーツ、梨。
ほどよい甘さと酸味、そして頬張るごとに溢れる果汁が爽やかな果物です。
旬を迎えると、お店などで沢山の品種の梨を見かけますが
一般的に、梨の糖度はどれくらいなのでしょうか。
そして、どれくらいの糖度があれば、甘いとされているのでしょうか。
梨産地として100年以上の歴史のある荒尾で
農薬を最大限に抑えた独自の栽培法で梨を育てている高塚さんの梨とともに
ご紹介いたします。
<目次>
荒尾梨を作っている熟練の梨農家、高塚さん
熊本県荒尾市は、全国でも有数の梨の産地として知られており
現在でも盛んに生産されている地域です。
その荒尾市で、農薬の使用を最大限に抑え
自然由来の養分のみで荒尾梨を育てられている希少な農家の方がいます。
荒尾梨の自然栽培を35年以上も続けている高塚成生(なりお)さんです。
高塚さんは、自身のお子さんがアレルギー体質だったこともあり
「子どもたちが安心して食べられる美味しい梨を作りたい」
という強い想いがありました。
そして長い年月をかけ、農薬を最大限使用しない独自の栽培法を産み出したのです。
高塚さんが、丹精込めてお手入れし育てた梨を
高塚さんの名前にちなんで【成生梨(せいじょうなし)】と名付けました。
荒尾梨の糖度は一般的な梨よりもはるかに高い
大まかに、梨は赤梨と青梨に分けられます。
代表的な赤梨には、幸水(こうすい)や豊水(ほうすい)
青梨には、20世紀があります。
見た目が同じ梨でも、種類によって糖度や舌触り
保存期間に大きな違いがあるのです。
梨の糖度は、成熟状況により大きく変化します。
収穫時期によっては、糖度が1~2度変化することがあります。
しかし収穫時期を変えると、それと同時に風味や果肉の質をも変えてしまいます。
シャリシャリとした食感と甘さを得るためには
成熟状況による糖度の変化と
果肉や風味のバランスが取れていることが重要です。
一般的に梨の糖度は、11度~13度ほどです。
しかし、高塚さんの作る成生梨の糖度は15度以上もあります。
梨の特徴の一つとして、追熟をしない点が挙げられます。
追熟とは、果物を熟れる前に収穫し、その後一定期間置いておくことで
果肉の甘さや柔らかさを増す処理をいいます。
そのため、いつ収穫するかで梨の味が決定してしまいます。
高塚さんは、収穫時期になると毎朝、梨の食味をして収穫適期を見極めています。
荒尾梨が糖度の高い梨に育つ秘密は農園にあった
高塚さんの梨園の土壌は、多様な生物が生息しています。
梨園に降り注いだ雨は、クヌギの葉の腐葉土を通り
ミネラルが豊富な“森の雫“となって 梨の果肉において重要な果汁を作り出す、水分となるのです。
ミネラルをたっぷり含む水はけの良い土壌は梨の栽培に最も適しており
香りの豊かな梨を作るための秘訣でもあります。
高塚さんの成生梨を食べた人の感想で最も多いのが
後口の良い爽やかな甘味です。
食べた時に、口の中にベタつく甘味ではなく
くせになる爽やかな甘味が特徴です。
食べる人の心と体が喜ぶような梨を作りたいという想いから生まれた
農薬を最大限使用しない、自然栽培で育てられた成生梨は
一度食べたらその美味しさが忘れられず、ご自分で探される方も多くいらっしゃいます。